Power Automate Desktop 2.17 (Feburary 2022)がリリース
Power Automate Desktopの2.17(2022年2月)がリリースされました。
Power Automate for desktop – February 2022 update Microsoft
Monitoring notification window for console attended desktop flow runs
これまではWindows標準のトースト通知のみだったのでしょう。
2.17では、設定のドロップダウンリストでPower Automate Desktop独自の通知ウィンドウ「フロー監視ウィンドウ」を選べるようになっています。
選んでみると、フロー実行のポーズができたり、実行中のステータスが表示されたり、なかなか便利そうです。
しばらくこれを使ってみることにします。
Performance improvements in flow designer
フローデザイナーの次のような操作のパフォーマンスが向上しているそうです。
- アクションの追加や編集削除、移動
- サブフローから他のサブフローへのナビゲーション
- 保存
- アクションの有効化、無効化
確かに、フローをMicrosoftアカウントからMicrosoft 365アカウントへ移行する際に、えらい遅くて作業に苦労した記憶があります。今なら簡単に移動できるのかもしれません。
実行速度もぜひ改善していただきたい!
New ‘Display custom form’ action (Preview)
「カスタムフォームの表示(プレビュー版)」が追加されました。
これまでの単純なメッセージボックスではなく、複数の項目を入力できるフォームを作れるようになったようです。
「カスタムフォームの表示」アクションを追加すると、「カスタムフォームデザイナー」を起動できます。
左の「フォーム要素」から中央上の「フォーム構造」に要素をドラッグアンドドロップしてやります。中央下にはプレビュー画面が表示されます。
ドロップダウンリストも追加できます。「スタイル」で「展開」を選べばラジオボタンにもできます。(IDのデフォルトが日本語だったので使えるのかと思ったけれどエラーが出ました)
「送信」要素でボタンを追加します。(私の環境では追加するとエラーが発生しました。さすがはプレビューです)
実際に動かすと次のような画面が表示されます。
実行すると変数に値がセットされます。
CustomFormDataオブジェクトを開くと次のように入力したデータが表示されます。
要素へのアクセスは CurrentFormData.Personのようにドット(.)演算子を使って行います。
日付要素で日付ピッカーを使えないのがとても残念です。プレビューじゃなくなるころには使えるようになっていることを切に願います。
New actions to convert a file to base64 and vice versa
base64形式の変換ができるようになったそうです。
ファイルグループにあります |
base64は本来7bitデータしか使えないインターネットメールなどに使われています。
New ‘Extract tables from PDF’ action
PDFのテーブル(表)をデータテーブルとして扱えるようになったという事です。
試しにExcelで表を作ってPDFとして保存し、読み込んでみました。
次はサンプルの表です。
「PDFからテーブルを抽出する」アクションを使用します。結果はデフォルトではExtractedPDFTables 変数に格納されます。
PDFにテーブルが複数存在する場合、ExtractedPDFTablesにも複数のテーブルが存在します。そのため、for each で取り出すか、ExtractedPDFTables[0](1番目のテーブル)のように指定します。
次の例では、ExtractedPDFTables[0]のDataTableプロパティ(テーブルのデータ部分)をfor eachの処理対象として指定して1行ずつCurrentItemに取り出しています。
そしてCurrentItem[0]で1列目のデータを表示しています。
早速この機能を使ってPDFのページ数を取得してみました。
Power Automate DesktopでPDFのページ数を取得するのは難しい
New property for datatable variables
データテーブルにColumnHeadersRowプロパティが追加されたという事です。
これまでのColumnsプロパティを使ってExcelなどに書き込むと次のように縦に展開されてしまいます。
ExcelData.Columnsを指定する |
縦に書き込まれる |
そのため、ひとつずつセルを指定して書き込むか、いったんdatarow形式に変換してから書き込む必要があって手間だったと思います。
ColumnHeadersRowならサクッと書き込みができます。
ExcelData.ColumnHeadersRowを指定する |
横に書き込まれる |
早速、PDFファイルから読み取ったデータをExcelに書くときに使いました。
なお、リスト形式のデータは次のように{}を使えばdatarow形式に変換できました。手間がかかるというほどではありませんでした。
%{ExcelData.Columns }%
分かりやすいのはColumnHeadersRowを使う方法ですが。
Renaming variables to existing names is now permitted
以前は、既に定義されているフロー変数の名前を、再度入出力変数として定義しようとするとエラーになってしまいました。いったん既存の変数名を変更しないといけなくて手間でした。
今回の変更では、再度定義しようとした際に両方を同じ変数として扱うかを聞かれ、続行することができます。
New ability to copy a subflow and paste in other flows
サブフローをコピーして、別のフローに貼付できるようになったようです。
確かにサブフローのタブを右クリックするとコピーすることができます。
そして別のフローのタブがないところを右クリックすると貼付できるようになっていました。
Auto clean up of local actions log file
これまではフローを実行するとログファイルが作成され、それが放置されていたようです。
「Power Automate Desktopの実行ログの見方」T2 Labs アサヒロボ研
今回のバージョンから、実行後に自動的に削除されるようになったという事です。
レジストリーを変更すれば、従来通り残すようにもできるという事ですが、レジストリーの名前や設定方法は不明です。
というわけで、今回もますます便利になるPower Automate Desktopでした。
毎月アップデートされてすごいです。
しかし、プライベートで使っているPCのPower Automate Desktopがいつの間にかアップデートされていたのが引っ掛かります。Windows 11 なのでWindows Updateで自動的にアップデートされたのでしょうか?
コメント
コメントを投稿