Microsoft 365 Business Premium の導入メリット
先日、Microsoft 365 のライセンスを Business Standard と Offece E3 の混在から Business Premium に統一しました。その結果、システム管理が大幅に楽になり、もっと早く切り替えておくべきだったと思いました。
Business Premium
Business Premium はユーザー300人以下の組織で使えるライセンスです。300人を超えての追加はできないようなので、超えそうな組織では使うことができません。エンタープライズ用のライセンスへの切り替えが必要になります。エンタープライズ用ライセンスに対して大幅に安いので、中小企業への救済策という事なのだと思います。
Business Premium を契約した場合の大きなメリットは次の通りです。
Defender for Business
Business Premium を全員が使用している場合は、共有PCを含めてセキュリティ対策ソフトのDefender for Business を使うことができるという事です。共有PC分のライセンスは不要で、特別な設定も不要なようです。
Defender for Business はWindows 10 や 11 に標準搭載されている Microsoft Defender を機能拡張したものという認識です。基本的には標準のDefender と同じだと思うので、その安定性と各種アプリケーションやドライバー等との相性は抜群だと思っています。
管理機能のIntuneと組み合わせることで容易に自動展開することもできます。
共有PCのOffice
これまで、Business Standard では、共有PCに365 の Officeをインストールすることがライセンスで許可されていませんでした。
そのため、仕方なくプリインストールやパッケージのOfficeを購入して入れていました。しかし、これだとOfficeのバージョンが一般のPCと合わなくなってしまうし、サポート切れに合わせた買い替えや、Microsoftアカウントによる管理等、厄介でした。
Business Premium を全員が契約している場合は共有PCにインストールすることが可能です。これで、出張用PCや特殊なアプリが入ったPCなどの共有PCに365のOfficeをインストールすることができるようになりました。
バージョンが一致するし、ライセンスやバージョン管理の手間から解放されました。
なお、共有PCにインストールして使うにはレジストリーを変更してOfficeを共有モードで起動する必要があります。
Intune
以前いた職場では、100人以上の従業員がいたため、Active Directory を導入し、グループポリシーを使ってPCを制御していました。
しかし、現在の職場は十数人のため、Active Directory を管理するためのドメインコントローラー(DC)を入れるのは管理面やコスト面から問題でした。
Intuneはグループポリシーやそのほかの機能をクラウド上で実装したものです。これを使えば、PCの各種設定(スリープの制御やリモートデスクトップの設定など)を社内LANのPCだけでなく、テレワークPCにも配布可能です。
テレワーク時代の今、うってつけの管理機能です。
各種PCの頭を、用途に応じて、PC-, TW-, SH-, BT- などとすることにより、グループポリシー(構成プロファイル)の自動適用も可能になっています。(PC, TeleWork, SHare, BusinessTripの頭文字)
これもBusiness Premiumで使えます。
インプレースアーカイブ
普通の仕事だといらないと思うのですが、Business Premium だとインプレースアーカイブも使えます。
これはメインのメールボックスとは別の保存領域を用意できるものです。保持ポリシーを設定すれば、自動的に古いメールをそちらに移動することも可能です。
インプレースアーカイブの容量は一応無制限。無制限とはいえ、自動拡張の設定を行う必要があるのと、自動拡張には削除済みアイテム内のフォルダーを削除できないなど、若干制限があります。
とはいえ、容量を気にせずに使えるのは嬉しいです。
なお、インプレースアーカイブで追加されるのはアーカイブメールボックスで、読んだメールを入れておくアーカイブフォルダーとは別物なので注意が必要です。
Business Premium を使って幸せに
Business Premium に切り替えた結果、システム管理が大幅に簡単になりました。
こんなことならもっと早くから使っておけばよかったと思うくらいです。
ライセンスコストの上昇も、シマンテックからの切り替えで費用が浮いたのと、共有PCのOffice やセキュリティ対策ソフトの費用が浮いたので、結果的には大して変わらなかったのかもしれません。
中小企業のシステム管理者ならこれ一択ではないかと思いました。
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